天高く

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(どうしよう…) 私は、頭を手ぐしで撫でつけながら、考える。 折角のこんないい天気だ。 やっぱり外で顔を洗いたい。 でも、もし誰かに見られたらやっぱり恥ずかしい。 絶対笑われる。 どうしよう。 (…別に、そんなに時間が掛かるわけではないから、大丈夫かな) 結局、外で顔を洗う方針で決定した。 決め手は、窓から吹き込んだ風だった。 その風は、とても心地良く、私の心を揺らがすには充分だった。 キィ…、という音をたて、扉を開く。 そして、芝生に足を踏み入れた。 サク、という音と共に、視界が広がり、少し開放的な気分になる。 やっぱり外に出て正解だった。 シレネは、そう思った。
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