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そして、子どものころによく聞かされた、一つのおとぎ話がある。
『英雄と竜』
これは、世界を滅ぼす世界竜を英雄が倒し、世界を救うという、ありふれたおとぎ話。
だが、その英雄には、とても奇妙な特徴があった。
『その英雄は、水を撒く様に奇跡を使い…』
『右手を振れば嵐が起き、左手を上げれば大雨が降る』
何通りもの奇跡を、一つの生物で行う。
そして、その民話では、無限とも言えるくらいの奇跡を扱っていたと言われている。
人ではない。
天露でもない。
人は、それを『魔法使い』と呼んだ。
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