天高く

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帰り道を歩く足も、少し弾んでいる。 シレネは自分が少し高揚していることに気付き、嬉しそうに笑った。 そして、鼻歌交じりにスキップを始める。 今日は誕生日だ。 私の、十一歳の誕生日。 毎年誕生日は、必ず母はご馳走を作ってくれる。 去年は鶏肉の唐揚げだったし、その前は色々な木の実や野菜の混ぜ御飯だった。 母は、料理に関して妥協しない性格なので、どれも美味しかった。 そして今日。 私は、偶々朝早く起きたのだが、その時に母が何かをしているのを見つけていた。 その時は少し眠かったのと、うまく思考が働かなかったのでそのまま顔を洗いに行ったのだが、おそらくあれは今日の晩ご飯の準備だろう。 後ろからでも、母が楽しそうにしていたのが分かったから。 私の家が見え始めた頃、シュカの匂いが、私の鼻をくすぐった。 私はとても鼻が良い。 そのせいというか、臭いものは苦手なのだが、いい匂いのものはとても好きだ。 そして、このシュカの匂いはとても好きだ。
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