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「それじゃ、晩ご飯にしましょうか」
「うん!」
母の言葉に、私は大きく頷く。
母はそんな私を見て、楽しそうに笑いながら、竈に向かった。
私は、母を目で追いながら、その先の竈を見つめる。
あの嗅いだことの無い匂いは、あそこからしていた。
竈には、何やらシニス(薬や料理など、様々なものに使われる植物)の葉で巻かれた、包みがある。
母は慎重にそれを手に取り、ゆっくり気を付けながら此方、皿が置いてある方へ歩いてくる。
そして、その包みをテーブルの上に置いた。
「開けるわよ?」
シレネはその言葉に、身を乗り出してその包みを凝視する。
その不思議なものが何か、とても興味があったからだ。
母はそんなシレネを見て、手に持った包みを開いた。
「……うわあ…」
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