友と兄貴分と時々巫女と

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俺はみんなとは珍しく複数の式神を持っている。 正人さんはコン介さん一匹をパートナーとし、その一体以上は持っていない。 もう一人、後から出てくるであろう千田陽介さんは天狗をパートナーとしている。 みんなが一匹しか持っていない理由は簡単に言えば霊力が足りないからである。 式神を召喚する為にはある程度霊力が必要ある。 正人さんや陽介さんの式神はそれぞれ一体が強力な妖である。 土地神と神通力の得意な黒天狗。 式神にするだけすごい奴らなのでほかを召喚するだけの霊力を持ってられないのだ。 それに対し俺は二人よりは霊力はずば抜けているらしく、吸血鬼、雪女、鬼を同時召喚できる。 その中の一体、鬼の龍香は伝説の鬼の総大将。神をも倒す強力な妖を出しつつけろっとしている様を見た二人に、化け物だと言われた時は驚いた。 召喚する妖の強さによって使用される霊力は変わるらしく、強い妖であればあるほどごっそりと持ってかれる。 龍香でも凄いのに、今年の春を押しとどめた氷華、魔術を使え、伝説級妖怪種族の吸血鬼ルナを出していれば常人ではぶっ倒れるだろう。 凄いと言われるが、その点食費がかさみ、給料がいいと言ってもあんなに食べられては困るのである。 氷華とルナは一般人の量しか食べないが問題はあの酒仙の幼女鬼である。 まさか、まさか米一袋10キロが3日で消え失せるとは……。 幼女は基本的和食、俺も和食、氷華も和食であるが、こんなハイペースで飯が消えて行くのは尋常じゃない。 ルナは基本吸血かトマトジュース、パンとサラダしか食べない。 野菜はこの頃高くなってきてるし、俺の血を吸うのはほとほと勘弁して欲しいがまだ許せる。 ただ、何なのだあの幼女は!食いっぷりがZ戦士並みだぞ。まぁ、力比ではツルハゲ地球人最強戦士に匹敵するだろうが。 この食いっぷりはもみじ饅頭の食べ方にも如実に現れている。 氷華とルナはお上品に木で切り分けながらニコニコと食べているが、あの鬼は血相を変えてばくばく食べている。 「んめぇ、うめえ!これちょーうめぇな!!!大将!これうちでも買って。」 目をキラキラさせながら幼い笑顔をこちらに向けて来た。 「いいけど食い過ぎだぜ。正人さんに叱られてもしらねぇよ?」 無断で持ってきたお菓子なので怒られるのはわかってたが、この箱をカラにするのは想定外だった。
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