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彼らは妖怪、旧鼠である。
説明、長生きし過ぎて生まれた鼠の妖怪。人に対して害もなく、襲いかかって来ても軽くあしらう事の出来る強さの鼠達である。
集団で生活し、自分達のテリトリーで生活する。
個々は弱いが集団意識は強い。仲間を見捨てず友の為に血も涙も汗も流す一源三流の志を持った出来た集団なのである。
ルナが手を振るとうおぉっ!と歓声が上がった。
ルナは見回りの度に一緒にいる為、旧鼠達と顔馴染みである。
さらにこの金髪赤目、整った顔立ちからとても人気があり、一種のアイドルみたいな扱いを受けている。
可愛い顔をした吸血鬼は、ニコニコと上機嫌に微笑む。
その顔を見たみんなはいつの頃からか彼女のことを
『エンジェル・ヴァンパイアのルナちゃん』
と呼ぶようになった。
さらに彼らは俺の式の龍香や氷華とも顔馴染みであり、彼女らにも心酔している。
龍香も氷華も可愛いので、八つ当たりとしてかなり俺は嫉妬を受けているのだ。
今日も俺に羨望と嫉妬の眼差しが降り注ぐ。
視線受けるの嫌だし逃げよっと。
こちらとしてはさっさと帰って飯を食べたいので、笑顔を振りまきつつ見回りを続行させてもらった。
商店街を抜け、家の近くの林道に着く。
しばらくして林を抜け、家の2キロ手前になると川が見えてくる。
そこが亀婆さんの本拠地である。
亀婆さんは妖怪的に古参でかなり前からここに住んでいるので、ここには彼女しかいない。
川のほとりまでいくと、釣り糸を垂らした枯れた婆さんがちょこんと座っていた。
亀婆さんの後ろ姿は、大きな甲羅が無ければただのお祖母さんにしか見えない。
旧鼠もそうだが、動物が変化してできた妖怪は人間にかなり近い存在となる。
ある程度前の生き物の名残があるが、人間的要素の方が大きくなっているのである。
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