陰陽師、久慈遼と言う者。

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月曜日、新学期はじめの朝。 「おはようございます、ご主人様。起きて下さい」 綺麗なソプラノボイスが俺の耳朶を打つ。 俺、久慈遼『くじりょう』を起こしに来たのはメイド服を着た少女。 名前を冬谷氷華『ふゆたにひょうか』という。 そしてこの少女、実は妖怪なのである。 長い銀髪が麗しい彼女は雪女。そしてこの俺は陰陽師なのだ。 陰陽師、それは妖怪を調伏したり討伐する事をする人間を指す。 現代人は信じていないだろうが、実は妖怪もいれば、神もいる。 そんな世界のお話である。 俺の住んでいる所は青森県の恐山麓。 恐山、とは三大霊山という事で有名な山である。 また、そこは霊力がずば抜けて高い場所で、必然的に妖怪が集まる場所となっている。 そんな重要な拠点を守る仕事を俺はやっているのだ。
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