陰陽師、久慈遼と言う者。

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また、俺は高校生だが親がいない。つまり孤児なのだ。 孤児の俺を引き取り、俺に陰陽道を教えた師匠は14歳の時病気で衰弱死してしまった。 師匠の使役していたメドツという地元河童は後を追うように天に還っていったため、俺は俺の使役する妖達と住んでいる。 死んだ人間全てが集まる場所、恐山。 その割に年々イタコと言う巫女が少なくなって来たため妖怪側から不満が起こり、異変の数が増えるという現象が一昨年あたりから増えてきた。 陰陽師でさえも信じる輩が少ない為にここ恐山には俺と俺の兄貴分の二人の若者しか陰陽師がいない。 世の中では安倍晴明や矢部野彦摩呂とかが有名らしいが、彼らは京の陰陽師の為、世の中は霊山には見向きもしてくれない。 こっちの方が京都よりよっぽど重要な拠点なのに……。 そう思うとため息が漏れる。 京は昔から妖の跋扈する妖しき都とか言われているが、妖怪たちはそこにいる陰陽師にあらかた調伏されており全滅状態。これは危険だと場所移動された結果、陰陽師の少ない恐山に集まってくるのである。 話が変わるが、陰陽師は裏の国家公務員として国に雇われている。 毎日仕事なわけではないが、三人しかいないとどうもキツイものがある。 この日本には政府が作った妖対策省ってものが密かにあるのでそこに何度も直訴したが、慢性的な人材不足で取り合ってもらえない。 京はとっても平和だ。藤原京や、平安京の時代はめちゃくちゃ危険だったが、あの英雄安倍晴明、その子孫の土御門家が頑張ったおかげで現代は妖は殆どいない。 だから、京都の陰陽師を連れてくればいいのにと思ったりしたが、彼らは平和すぎて実力が無いのだ。 彼らは俺たちの事を田舎者とか蔑むが、勝負に一度も負けた事が無い。て言うか勝負にすらならなかった。だって使役してる妖持ってなかったもの。 それでも強い人は強いのだが。
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