陰陽師、久慈遼と言う者。

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起こしに来た氷華と共に食事に向かう。 台所に行くと、金髪の少女が座り、トーストをハムハムと頬張っていた。 少女の名はルナ・ホワイトナイト。 吸血鬼の16歳。吸血鬼の処女の生き血吸いにより吸血鬼になっちゃった可哀想な被害者である。 中世フランス生まれだが、吸血鬼になった途端に神父に教会もろとも時空凍結。結果今まで時間と無関係な妖怪として土の中で眠っていた。 フランスの土をごっそりと日本に持って来たバカな金持ちのせいで日本上陸、そのショックで目覚め、霊力の高い恐山に来たのである。 なにがなんだか分からないうちに日本に来た為恐山に彼女の居場所は無かった。 その為本来敵である陰陽師【あっちではエクソシストと言う事になるのかな?】に縋った。 仲間になる代わりに人間に戻る術を探して貰う為、俺の眷属になったのである。 ルナは魔法を主戦とする戦い方をし、炎系統、光系統の術をよく使う。 また、彼女は吸血鬼の怪力を持ち、本気を出せば1mの岩をも一撃で粉砕できる。 華奢な体でも信頼できる、俺の仲間だ。 また、メイド服を着た氷華に疑問を持つものもいるだろう。 俺も何故?と思い聞いて見た事がある。 その時、彼女はこう言った。 「わたくしは貴方様に調伏された使いであります。使いとして貴方様に心意気を見せる為、このような服を着ておるのです。」 らしい。 彼女は俺が最近調伏した妖で、春の到来を遅めていたのである。 青森は冬が長く、春がすぐにでも待ち遠しいくらい寒い場所である。 さらに雪女に冬を長引かされたら溜まったもんではない。 俺は単独で彼女と勝負して、俺の式として使えてもらう事にしたのである。 彼女は1人で春を拒んでいたぐらい強力な妖で、多分京の陰陽師が何百人たかっても彼女を調伏おろか触れる事さえままならない程のツワモノである。 彼女は戦力的にも家事的にも有能な存在なのである。 氷系統の妖術を使い、頭の良い妖怪なのだ。
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