友と兄貴分と時々巫女と

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よくよく紙を見ると、なんとそのクラスには俺の1年の時のクラスメートが誰一人としていない。 凛はそこそこ人気者だからすぐに打ち解けるだろうが……。 俺はむりっぽいな。だって俺は奥手だし、人見知りだし、注目に慣れてないからな。 得てしてこういう場合、知らないクラスから来たやつが少ないクラスは、その前のクラスとほぼ同じ奴らが集まるクラスとなる。 俺のクラスも例外ではなく、前同じクラスだった奴らがわんさかいて俺と凛だけ四面楚歌状態のクラスだった。 担任さえも、俺と凛以外のクラスメートの前の教師であった。 何か陰謀があると思ったら案の定担任が自分から解説していた。 担任曰く、 「この学校はクラス替えを担任がドラフトのように好きな奴を順番に取り合う方針をとってるんだ。 気づいていると思うがあの二人は問題児すぎて手に負えないから人気者の對馬を入れて、對馬の幼馴染の久慈を入れたんだ。皆宜しくな。」 ……なんて杜撰なんだこの高校は? いま、クラスはとっても湧いている。 よっぽどほぼ前のクラスの状態で新学期を迎えるのが嬉しいのだろう。 クラスメートは先生サイコーコールで煩いし、凛は人気者と言われ有頂天だし、先生はサイコーコールの先導をしてメチャクチャ楽しそうだし……。 あれ、俺ってぼっち? あー、うん。それっぽいね。 新学期早々ぼっちになった俺はクラスの雰囲気に馴染める事なく、窓の外をぽけ~っと覗いていた。 ただ、怠惰な時間を過ごすために。
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