ひなまつり(。>3<)

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“ボォ~” 法螺貝の音が響き、全員が各々の位置についた。 全校生徒に向かい一列に衝立で仕切り九区画作られており、一区画に椅子がそれぞれ一脚ずつ並べられている。 先攻が先に椅子に腰掛け、後攻の者が横に立つと、赤旗を持った先生が各椅子の後ろに公正な審判として立った。 “ドン・ドン・ド~ン・ドン   ドン    ド~ン” 息を呑む静寂の中、校長が打つ陣太鼓だけが鳴り響きいよいよ開始である。 『うおぉぉ~ぅ!!』 あらゆるところから、野太い低い声が一斉に上がり誰もが興奮の中、小暮も椅子に腰掛けた。 「失礼します」 吉永が小暮の褌を外し、リズミカルに手を動かす。 (何コイツ…上手すぎだろ?だけど、相手がコイツってのがなあ。よし、脳内変換! コイツはミク…コイツはミク…コイツはミク…) 「うっ…ヤバ…くっ…」 「ヤバくないッスよ。俺の手に身を任せて下さい」 (身を任せる…だとおぉぉ?コイツにぃぃ?ダメだダメだ!コイツはミク…コイツはミク) 「NOぉぉぉ~~!!ミクぅぅ!!」 掛け声一発、白濁の放物線が綺麗に描かれた。 審判の赤旗が真っ直ぐに上がる。 「ふむ。あれほど美しい軌跡は初めてだのおぉぉ…なかなかやるわい」 不敵に笑う校長を尻目に、一気に脱力した小暮の後始末を吉永がテキパキと行っている。 「あっ、悪いな」 「いえ…いいんです。それにしても、素敵な腹筋ですね。憧れますよ…」 「そ、そう?そうかな? あはっ、大丈夫だ。この学校ならおまえの布袋様のような腹だってバッキバキだ」 「この腹はマニア向けなんですよ」 (何のマニア?) 順調な小暮・吉永ペアに比べ、他のペアはなかなか手こずっている。 中にはうっかり顔を近づけ過ぎて顔面に直撃の生徒も…なお、その場合は無効とされ、再度チャレンジさせられる。
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