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『お前、名前は?』
「そっちから名乗れば?」
『生意気な人間だな…』
にやにやと笑う顔が気持ち悪い。早く帰りたい思いが一段と強くなった。
『お前…蜜姫だろ?』
「違いますけど…」
『嘘つくなよ…こんな甘い匂いさせといて…』
いつの間にか私のすぐ前にいた男は私の体を簡単に地面に押し倒した。
「っ!?なにするの!!」
聞く耳を持っていないのか、男はそれを無視して私のネクタイを緩め、ブラウスのボタンを第三まで開けた。
「や止めて!?」
恐怖に全身が支配され指一本も動かせなくなる。
『いたたきま~す』
男が私の首もとに顔を埋めたその時、校舎の三階の窓ガラスが勢いよく吹き飛んだ。
『「へ…?」』
窓枠すらなくなった窓から1人の少年が飛び降りてきた。
?「女の子相手に何だせぇことしてやがる!!」
少年は地面に着地するやいなや、私の上にまたがっていた男の腹を蹴り転がした。…文字通り蹴り転がされた男は近くにあった木に背中をぶつけた。
?「大丈夫だったか!?」
私は状況を理解しきれず、パニックをおこしていた。
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