44人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前がシャワー入ってる間に、客用布団を隣の部屋に敷いておくから。」
目眩が落ち着いたので起き上がって言うと、ちょうど祐介がトップスを目の前で脱いでいた。
「えぇよ、フラフラな奴に敷かせて倒れられたら困るし、なんせ淋しがってる志織ちゃんの傍で寝てやらんとなぁ…?隣に敷いて寝たるわ。」
祐介はニヤニヤした顔で近づいてくると、俺のいるベッドに腰掛けた。
いらっとしながら、なんだろうと思って首を傾げると、ほっぺたを指でふにっと押された。
「それとも添い寝が良かった?」
「阿呆か。俺は女じゃねーし、んなことされたら圧死する。
馬鹿なこと言ってないで、早く入ってこい。着替えと、新しい下着おろして置いといてやるから。」
「はいはい、頼むで。」
祐介が風呂に向かいながら、ひらひらと手を振って行ったのを見て、一息つく。
「今日はゆっくり眠れると良いんだけど…」
脱衣所にある洗面台の鏡に映った自分の顔を見て、思わず呟く。
悪夢にうなされて眠りが浅いおかげで、ここ最近寝不足気味だ。目の下の隈は、高校の文化祭で使ったファンデーションで誤魔化してあるが、祐介の指摘通り、体調不良な顔色は誤魔化せていない。
スウェットと下着を脱衣所の所に置いて、部屋に戻り、しまっておいた布団を出す。
布団を敷き終えると、眠気がしてきたので、祐介が来るまで…と、布団に転がった。
.
最初のコメントを投稿しよう!