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――喉の渇き
そして、全身が研ぎ澄まされる感覚…
この感覚は何だ?
自身に問い掛ける前に、体が答えを出そうとしているのが分かった気がした。何か分からないものに支配されてる。
ここまでの思考に一秒もかからなかった。そこにいてはいけない気がして、俺は直ぐにその場を離れた。
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“お前、今すぐこのサークル辞めろ。”
―四月、春
俺の、天城 紗羽(アマギ サワ)への第一声はこんな、初対面とは思えないような、愛想もへったくれもない一言だった。
とにかく切り捨てるように言い放った言葉は、新年度暫くして行われる、サークルの新入部員の歓迎会と称した飲み会の浮ついた空気に亀裂を入れた。
「…え、どういう意味ですか…?」
シーンッ…と静まった場に、ショックより驚きが大きいような戸惑う天城の声が響いた。
「どういう意味って…、サークル辞めろっていう、そのままの意味だけど。」
「い、乾(イヌイ)、とりあえず、落ち着こう。天城に何か問題があったのか?」
「落ち着く?自分は冷静なんですが。」
「俺…何かしましたか…?」
天城が不安そうな声で訊ねる。
「天城、乾の奴酔ってるみたいやから真に受けんとってな。」
「ほら、乾も水飲めって、な?」
あたふたと、幼なじみと同期がフォローを入れようとしているのを冷めた目で眺めて、ため息をつく。
「コイツ、向いてないから。」
トドメを刺すように言って、アルコールの入ったグラスを傾ける。独特の香りが口の中に広がって、喉を刺激していくのを感じながら、飲み干した。
お酒は別に好きな訳ではないが、今はこれがないと気が紛れない気がした。
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