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ーーー…… そして放課後。 「菜子ー、行くよー!」 「はーい。ちょっと待ってー」 帰りのHRも終え、帰る準備をする。 美優はもう準備が終わっているみたい。 早いなぁ。 「菜子ー、おそーい!」 「美優が早すぎるんだよー」 私は帰る準備を終え、バッグを持とうとした時に須藤がこっちにきた。 「佐原、担任が呼んでる」 「はぁ?」 さっきから先生呼んでたよ?美優。 私も言おうと思ったんだけど、須藤に先に言われた。 「何ですか、せんせーいっ!?」 相変わらず声が大きいな。 そんな出さなくても聞こえてると思う。 「……うるさ」 須藤が顔をしかめて小さい声でそう言った。 顔をしかめることもあまりないので、思わず笑ってしまった。 「…何?」 と聞かれ、 「いや?美優はうるさいね」 と、美優のせいにしてしまった。 「ふ、ほんと」 二人して笑って、美優の方を見た。 「な、なによ?二人してこっち見ないでよ!」 「ごめんごめん」 「菜子、ほれ行くよ!じゃーね、智」 「バイバイ、須藤」 「ん、じゃーな。気をつけて」 相変わらずジェントルマンの須藤に別れを告げて、教室を出る。 そういえば、美優は須藤のこと『智』と呼んでいる。 なんか可愛いよね。 .
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