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「ーーー……って、綾瀬聞いて……」
あ、光希が何か話してる。
全然聞いてなかった。
「ーーー……ぃ」
「ん?何、光希?」
「あ、いや…なんでもないっ」
小さな声で光希が何かつぶやいていた。
でも何て言っていたのかは、わからなかった。
「さーて、そろそろ帰るか」
「もーちょっとー」
「バカか、親が心配するぞ。ほら立てよ」
「はーい」
しぶしぶ立って、また暗い道を歩き出す。
………そういえば。
「光希ー、何で公園にいたの?」
「………ないしょ」
「なにそれ」
光希の方を見てみると、暗くてよく見えないけど確かに笑っていた。
さっきの質問を何回かまた聞いてみたけれど、
「秘密」って答えるだけで何も教えてくれなかった。
ただ一つわかることは…
今日は機嫌が良いってこと。
それだけ。
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