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「ほら、早く」
「あ……」
須藤にバッグを取られ、自転車のカゴに入れられた。
そして須藤は後ろの荷物置きの所をポンポンと叩いた。
「おいで」
うっ……
思わずキュンとしてしまった。
バッグ取られちゃったし、時間やばいし……
ここは後ろに乗させてもらうしかない。
……美優、ごめん。
「で、では、失礼します…」
「どうぞどうぞ」
須藤の後ろに座り、どこを掴もうか悩んでいると手を掴まれて腰に置かれた。
え、腰ですか！？
ふつう肩じゃないんですか！？
「危ないからしっかり掴まってて」
「あ、うん」
「じゃ、進むよ？」
私は頷くと、自転車が動き始めた。
わわっ！
男子に２ケツしてもらうなんて初めて…！
すっごいドキドキする……
私、重くないかなぁ？
「す、須藤？平気？」
「何が？時間？」
「じ、時間もそうだけど…重くない？私……」
「あぁ、時間やばいけど、綾子もやばい」
「えっ！？」
「何食ってるの？ってほど軽すぎる」
「…あ、そ、そんな……」
び、びっくりした……
優しいなぁ、須藤は。
ジェントルマンですよ、ほんと。
その気遣いは完璧すぎる。
その優しさをいろんな女の子にしてあげれば、絶対モテるのに…
もったいない。
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