チョコレート

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その【プリクラ】には 頬を寄せた崇人と見知らぬ女の子が スゴク楽しそうに写っていた。 私とは正反対の ギャル系の派手な感じの子。 プリクラの中の2人の幸せそうな笑顔に負けたような気がして、私の心は絞られるようにキシんだ。 今の私は、崇人にこんな風に笑いかけているだろうか? そんな疑問が心に浮かび さらに私の心はキツク絞られる。 息が…苦しい…。 ・・・? その子が書いたらしい文字が下の方に並んでいた。 『TAKATO・MIWA  201△・4・30』 4月30日。 あの時だ。 まるで他人事のように。 無感情に事態を受け止める自分がいた。 その日は 侑右の産まれる前日で 皮肉にも私は、 崇人の行動をよく憶えていた。
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