チョコレート

22/22
前へ
/409ページ
次へ
どれぐらいトイレに籠っていただろう。 侑右の泣き声が聞こえてきて 急いでカードをパンツのポケットにしまいリビングに戻った私は 崇人を促し帰り支度を始めた。 「あら、チョコは?」 まるで見えない箱かのように無視していたのに崇人母は容赦なく、そこを突いてくる。 「お義母さん、食べて下さ、、、」 私の言葉を遮り 「あ~俺、持ってくよ」 眠くて愚図る侑右を左腕で抱き チョコの箱を右手でヒョイと持つ 今までの私だったら そんな崇人の動きにバカみたいに  《カッコイー》 だなんて胸をときめかして 全てを誤魔化していたけど あのカードを開いた瞬間に 私にかかっていた魔法は解けてしまい もうどんな崇人を見ても生まれてくる 感情は《嫌悪感》しか無かった。。。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

327人が本棚に入れています
本棚に追加