始まり

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「ねえ、香奈バイトしない?」 「急にどしたの?変なバイトとか興味ないよ」 中学の同級生だった琴子(ことこ)からの電話にそっけなく答えた私。 「もう絶対そう言うと思ったぁ。 変なバイトじゃないって。私が行ってる古着屋で学生アルバイト探してて。ほら、前に一緒に行った事あったでしょ?」 「国道沿いの?」 「うん!そこそこ!急に1人辞めちゃったみたいで土日、祝に入れる若い子探してって頼まれちゃってさぁ、どうかな?」 バイトには興味なかったけど古着屋って聞いて心が動いた。 でも・・・ 「うーん。ちょっと、崇人(たかと)に聞いてみてからでもいい?」 「OK,OK。絶対、香奈にピッタリのバイトだと思うからさ。崇人先輩にもよろしくね」 調子のいい琴子との電話を切って しばし考える。 やきもち焼きの崇人が接客業なんて許してくれるかな?
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