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「大丈夫?」
割れたカップを手際よく片づけながら
琴子が小声で聞いてくれる。
「大丈夫。ありがと。課長に目付けられちゃったみたい・・・」
「すぐに大人しくなると思うよ。
もともと気弱な人だから。
ゴメンネ、変なタイミングで仕事紹介しちゃって」
「ううん。ホントに助かったから、感謝してる」
あの誕生会からしばらくして
琴子はキャバ嬢をやめ
店のお客さんだった社長さんの紹介で
この会社に就職して事務をしていた。
なかなか仕事が決まらず
途方に暮れていた時に
「残業も無くて割と働きやすい環境だし、どう?」
と会社が新たな求人を出すのをいち早く耳にした琴子は、私に声をかけてくれたのだ。
その時に、課長の娘さんも面接を受け
なぜかそっちが不採用で・・・
私が受かってしまった。
そんな経緯があり
課長は私の存在が
気に障って仕方ないみたいだった。
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