シングルマザー

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「別にいいんじゃない。 今時、珍しい事でもないし。 離婚で人生が終わっちゃう 訳でもないし。 誰にでもやり直すチャンスは平等に ある筈でしょ」 何でもない事のように サラリと返事が返ってきた。 「何?どしたの?」 「今日のメンバーにそんな子いた?」 煙草をもみ消しながら 気になったのか 何度か質問を繰り返され 言うべきか・・・ 言わざるべきか・・・ 黙りと考え込んでいると 「いや、ゴメン。 無理しなくてイイヨ。 てか、そろそろ送ってく。 門限12時だから、よろしくって 琴子ちゃんに言われてるし」 時計を見ると いつの間にか時刻は11時半過ぎ。 12時が門限って バツ1のシンデレラか・・・。 結局 吉川さんの答えからは 私が彼の恋愛対象になるのかどうか それすら計り知る事ができなかった。
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