現実

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「お疲れ~」 仕事終りに家まで迎えに来てくれた 吉川さんは、そんな私の気持ちに 気づいていないのか 分かっていて知らない振りしてるのか いたって普通に現れた。 その感情の読めないポーカーフェイスが余裕たっぷりの大人ぶってて ちよっとだけ ──ムカツク。 「この季節、転勤とか多いから やたら忙しんだよ」 仕事の愚痴をこぼす彼は珍しい。 きっと、本当に忙しいんだと そんな中でも誘ってもらえた事に また、喜ぶ私がいる。
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