現実

24/29
前へ
/409ページ
次へ
10分も走らず着いた彼の部屋は 男の一人暮らしには充分すぎる広さの 1LDKのオシャレなマンションで。 「スゴッ!!」 部屋もさることながら 一目で高そうだと分かる家具にも 驚いた。 私がいつも愛用している ホームセンターの家具達とは やっぱり、違う。 「これ、吉川さんが自分で選んだんですか?」 失礼かなと思いつつ キョロキョロ部屋を見渡す私。 「ああ、この部屋は前から狙ってて空きが出た時に押さえといたんだ」 そっか。彼、不動産会社で営業やってるんだった。 「家具は・・・・・・。 俺、香奈ちゃんに言いそびれちゃってる事があるんだけど・・・」 促されソファに座った私と話しやすいようオットマンに腰かけた吉川さんは、言い辛そうに口を開いた。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

326人が本棚に入れています
本棚に追加