再会

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そのワンピの優しい色に 侑右の誕生会の記憶がよみがえり チクリと胸がきしむ。 結婚が永遠に続くものだと信じて疑わなかった頃。 その生活は、みんなからのサプライズプレゼントだったサーモンピンクのワンピを手にした時から、おかしな方向に転がり出した。 「前向きな離婚。 もう全然、大丈夫だから」 人にはそう話しているけど そんなの大嘘。 自分だけが知ってる痛みは 隠そうとすればする程 奥深くまで入り込み 今も私の心に我が物顔で陣取っている。 気が小さい私は、 あれから意識してサーモンピンクの服は避けていて、 あの時せっかくもらったプレゼントも 崇人とのデートで1度着たきり クローゼットの目の届かない場所に封印しっぱなしになっていた。 だから、 このドレスワンピにも袖を通したら また悪い何かが起こるんじゃないかと つい、くだらないジンクスを心配してしまう。 考え過ぎだろうか・・・? 今が底辺。 これ以上の悪いことなんて 思いつきもしないけど・・・。 まっ、試着ぐらい平気だよね。 そう思い直し袖を通す。 久々に着る大好きなカラーに 心は弾むけど 【リーベン】の少し埃がかった鏡に映る自分は2年前より、かすかにくすんで見えた。。。
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