再会

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6月。 晴れ女という強運の元に生まれた 彼女の実力をフルに発揮した 梅雨の合間の見事な快晴に いとこの結婚式は開かれた。 19世紀に英国の教会で 実際に使われていたという 壮麗なステンドグラスから 射し込む陽射しが クラシカルなドレスを身にまとった 彼女に注ぎ込み 永遠に添い遂げる愛を誓う姿は 清らかで息をのむほどに美しい。 150年の歴史を感じる大聖堂に 生演奏のパイプオルガンとフルートの音色が響く中、拙い賛美歌を口ずさむ私は ふと背中に視線を感じ 目立たないように そっと後ろを振り返った。
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