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「大丈夫だからね~」
私の気持ちが連動するのか
怯える侑右を宥めながら抱きかかえて
「じゃっ」
一刻も早く立ち去るべく踵を返すと
「おい、ちょっ待てよ!!」
昔は・・・大好きだったハズの
その手で腕を掴まれ
ビクッ。
背筋に悪寒が走った・・・。
ホント・・・ヤだ・・・。
「・・・離して」
崇人の顔を見たら
睨んでしまいそうで
うつむき冷たく告げる。
「ん?あぁ悪い」
すぐに手を離した崇人は
「2人とも元気そうで良かった。近いうちに連絡するからお前、電話出ろよ」
早口で、そう言い捨て
私の胸に顔を埋めたままの
侑右を一瞥してフンと鼻をならし
これみよがしに
高圧的に肩を揺らし去って行く。
何あれ・・・感じワル・・・。
ホント、あの人と離婚してよかった。
そう確信し
きっと連絡なんてしてこないだろうと
楽観視していた自分の考えの甘さを
私が思い知るのは
すぐ、次の日の事だった・・・。
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