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「「「うわっわっわっー!!!」」」
突然の急ハンドルに
身体が大きく右に傾き
即席アトラクション気分。
チャイルドシートの侑右も
そんな私達を見て「キャキャッ」と
手足をばたつかせ大喜び。
そして車は大通りから一転して
私の腰ぐらいまでありそうな程、
背丈の高い雑草に両脇を挟まれた
農道のような所をゆっくりと走り出した。
「ここ、どこっすか?」
さっきまで渋滞は嫌だとゴネていた周也さんが今度は恐る恐る大久保さんに尋ねる。
「多分、海につながる裏道がこれだと思うんだけど・・・」
あまり手入れの行き届いていない
一面の畑の中に
ポツポツと民家が建っている。
そんなちょっとホラーな風景が広がっていた。
「篤よくこんな道知ってるね?」
感心してるのか呆れてるのか分からない口調のゆかりさんに
「ああ、昔の彼女がこの辺の子でよく送って来てたから」
キョロキョロと辺りを見渡し
運転に神経を集中させている
大久保さんは、独り言のように答えた。
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