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「ママーぁぁぁ!!」
拉致られた侑右が両手を伸ばし
私に助けを求めて叫んでいる。
《もう!ヘタレなんだから》
あっという間に波打ち際まで
たどり着いている2人のもとに急ぐけど砂浜に足をとられ思うように進めない私がモタモタしている間に
昨日買った新品の浮き輪を
首から下げた侑右が
大久保さんに抱かれて
海に入って行くのが見えた。
「侑右──!大丈夫──?」
波に打ち消されないように
大声を上げた私に
いつの間にか泣きやんでいた侑右は
今日の太陽にも負けないぐらいの
輝く笑顔で手を振って見せている。
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