324人が本棚に入れています
本棚に追加
/409ページ
ぐっすり寝ている侑右を抱き
その物音で起きたゆかりさん達と
大久保さんにお礼を言って車を見送った。
心配そうなみんなの顔が車の窓越しに流れていく。
ずっしり重い侑右の体重と荷物すら
こんな時には自分を守ってくれる
鎧のような気がして心強い。
別れた旦那に会うのが
こんなに憂鬱なものだなんて・・・
──本当に離婚という事実は
いつまでも私を苦しめる。
重い鎧を纏った私は
ゆっくりと1歩ずつ崇人に近づき
彼の前に立った時には
そんな苛立ちが
つい、
言葉になって飛び出していた。
「こういうの・・・止めてくれる?」
最初のコメントを投稿しよう!