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崇人に対して
こんなに私が邪見な態度に出たのは
多分・・・これが初めてで。
動揺したのか
さっきまで険のあった眼差しは
なりを潜め
「車で話さないか?」
そう言って駐車してある
自分の車を指差す崇人は
高校の頃の
クールで優しい彼に
少しだけ近い気がした。
「じゃ、ちょっとだけね・・・」
相変わらず熟睡している
侑右を抱いたまま車に向かう。
濡れた水着なんかが入った大荷物は
重くて持つのが限界で仕方なく朝、
大久保さんを待っていた木陰の所に
置いておいた。
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