324人が本棚に入れています
本棚に追加
/409ページ
「あ?・・・まあ、そんな顔せずに
とりあえず少し考えてみてよ」
この冷めた空気を分かろうとしない
崇人に溜め息が出た。
「お前、そういう重い溜め息やめた方がいいよ。幸せ逃げるから。な、ちょっとコンビニ行っていい?タバコ切らしてるんだよ」
「じゃあ私、帰る。てか、崇人タバコ吸うようになったんだ・・・」
「ああ、最近だけどな。コンビニぐらい、付き合えって」
「もう腕がしびれて無理。荷物も庭先に置きっぱなしだし、帰る。じゃあね」
これ以上、話すことなどない。
急いで車から降りる私の耳に
「ちぇ、タバコ買ってもらおうと思ったのに」
嫌がらせなのか
聞こえてないと思ったのか
小声でブツブツ呟く
崇人の文句が入ってきた。
この人は・・・いつから
こんなみっともない男に成り下がってしまったんだろう?
中学の頃みんなの憧れの存在だった崇人の8年後が、こんなだなんて誰が想像した?
今の崇人はクールでも何でもない
ただの男。
で、
崇人をこんなにしてしまった私も
ただの女。
──やっぱり私達は一緒にいるべきじゃない。
最初のコメントを投稿しよう!