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「うん・・・まあ。ねえ、ママ?
離婚しても結婚してた事実って、こうやって私につきまとうんだね」
「え?」
「崇人と私は他人になった。
でも侑右の親としては断ち切れない縁があって・・・
全然、ケリはついてない気がするの。
姿見て言葉を交わす度に嫌な思い出ばっかがフラッシュバックしてきて、自分も崇人もスゴク駄目な人間に思えて何もかも嫌になる。これって考えすぎかな?」
「ん~ママは離婚歴ないから分かんないけど、事実は事実。それ以上でも以下でもないんじゃない?
だから、考えすぎて何でも離婚のせいにするのは香奈の被害妄想かもね。
一緒にいるとお互いがダメになるから別れた。別れた相手を見て嫌な気分になるのは、まだ傷が癒えてないからでケリはちゃんと着いてる。
そう思って前に進まなきゃ」
「そっか。うん、そうだよね」
「ほら、心配してくれてる人が来たわよ。侑ちゃん預かるから少しゆっくりしてくれば?」
「えっ?」
振り向いた私の前に
叫びながら何やら振り回すゆかりさんを乗せた車がスーッと止まった。
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