恋と愛

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「ゆかりさん」 「ん?」 「前にも聞いたけど・・・本当は、大久保さんの事どう思ってるんですか?」 「・・・どしたの急に?」 「ん~どう見ても2人、何も無いように見えないんですよね・・・」 「・・・じ・・・」 ゆかりさんが何か言おうと口を開きかけた時 「空いたお皿片付けていいですか~」 やたら元気の良い店員がやって来て ガチャガチャとせわしなく 食器を下げ去っていく。 いつも思うことだけど この店員がやってくるタイミングって どうしてこう絶妙に気まずい 『間』なんだろう? でも今日は、その数十秒の沈黙が 瞬間テーブルに漂った澱んだ空気を 一気に払拭してくれた。 「ふふふ。香奈ちゃんにしては鋭い質問だ」 変な笑いを浮かべ すっかり氷が溶けて 汗をかいているコップの水滴で 遊ぶゆかりさんの指が 彼女の心の動揺を現しているように 意味もなく上下する。
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