覚醒

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昼間も思ったけど こんなに毎日暑いのに 海水が意外に冷たいのが不思議でしょうがない。 その気持ちいい ヒンヤリした感覚も しばらく歩き続けていると 麻痺してくる。 遠くからかすかに聞こえる 花火を楽しむ人達の笑い声 と穏やかな波の音の中 何を考えるでもなく 無になって歩いてた私の背後から バシャバシャ!! 騒がしい水音が聞こえてきて ──ん? と思った瞬間 「香奈ちゃん!!」 名前を呼ばれるのと 同時に腕を掴まれ 反射的に身をすくめた私は 強く腕を引っ張られて振り返った。 「どこまで行くんだよ!!」 目の前には 怒っているというより 心配したような 困ったような顔をした大久保さんが 立っていた。
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