覚醒

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「っホント、危なかっしいんだから!!」 そこは・・・ まるでずっと前から 私の居場所だったかのように 安らぎを感じさせる 大久保さんの腕の中で。 ──彼の全てを感じたい。 ついさっき気づいたばかりの 大久保さんを 《好き》という気持ちが 4年もの眠りから覚醒して 放たれた途端に 熱を持ち、身体中を駆け巡る。 収まりきらない想いが こぼれだしそうな程で…息苦しい。 ギューッ。 強く抱きしめられたと 思ったら ふと 力が緩められていく。 《あぁ、離される》 切なくて・・・ 細いけどガッシリしている 大久保さんの腕に しがみつきたくなる。 だけど、 そのままの体勢で 波の音に 打ち消されないよう 大久保さんが私の耳元に 唇を寄せて囁いた。 「初めて会った時から  ・・・・好きだった。    これからは2人を…  香奈ちゃんと侑右を  俺が守っていきたい。  俺じゃ…ダメかな?」 サイコーの言葉が この砂浜と 私の心に刻まれた瞬間だ。。。
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