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言われっぱなしも尺に触るから
お返しに、言わなくてもいい一言を
つけてみる。
「さっきでも、何でもいい。
1度は諦めた女と
結ばれるんだから・・・」
急に真面目に
大久保さんが言うから
笑うつもりだったのに
調子が狂って
私の頬を涙が伝って落ちる。
緩んだ涙腺から
次から次へと溢れてくる涙を
4年前、よく眺めていた
大好きな長い指で拭いながら
「今まで辛かったよな・・・
香奈ちゃんは、よく頑張った。
これからは1人じゃないからな」
さらりと
独り言のように言った大久保さんは
私のおでこに
触れるか触れないかの
優しいキスを落とした。
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