325人が本棚に入れています
本棚に追加
/409ページ
まだ夏の面影を色濃く残しつつも
たまに吹く風が
すぐそこまで秋が来ていることを
感じさせる9月の終わり。
公園で香奈の作ってくれた
お弁当を食べた後
つい、まどろんでいた俺に
「あっくん~♪抱っこしてぇ」
侑右が遠慮なく
ドシン!!
と全体重をかけて乗ってくる。
「ウゲッ!!」
15キロ足らずの侑右に
乗られても全然平気だけど
そこは大げさに声を上げながら
立ち上がり
「よぉ~しっ!!」と
肩車してやった。
大はしゃぎの侑が
キャッキャッと笑って
体を左右にくねらす。
「おい!落ちるぞ!!」
慌てて体を支えてやる。
自分が子供好きだなんて
24年間生きてきて1度も
自覚してなかったから
我ながら侑へのデレデレぶりは
心底、意外中の意外。
最初のコメントを投稿しよう!