327人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのね、いつも香奈の卵焼きは甘過ぎるって言ってるんだけど
『侑右が、これ大好きだから』
って聞かなくてね・・・
今朝も少し私と、揉めたの(笑)」
「・・・そんなに甘かった?」
下から俺の顔を覗き込む
香奈のしょげた顔が・・・
たまらなく可愛い・・・。
親の前だということを忘れて
にやける俺に
「最初が肝心よ篤君!!
本当の事、言ってやらないと
ずっとこの極甘卵焼きのままに
なっちゃうんだから~」
香奈ママの忠告が飛んでくる。
う~ん・・・。それは困る。
「ごめん香奈。甘めより、
だし効いてる卵焼きの方が好き
・・・かも・・・。
だけど、うん。
きっと俺の舌がおかしいんだよ」
「??・・・フフフッ。
篤って変なの!!アハハ」
支離滅裂な俺の答えに
香奈ママと一緒に
さっきまで沈んでいた香奈までが
大笑いしている。
なんだか、この親娘
意外に能天気なのかもな・・・。
反応に困って無言の俺と目が合った
香奈パパは、
気の毒そうに俺を見ていた。
《あれが、俺の将来の姿かもな》
そんな予感がした夜。
浮かれっぱなしの俺は
つい・・・
うっかりミスを犯してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!