ー篤 Sideー

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「篤ー!あ、つ、し、起きなさいよ!!」 差し込む朝陽と同じぐらい暑苦しい 母さんの怒鳴り声で目を覚ます。 家の母親は、 まあよくいる《おばちゃん》 って感じの人で いつもパワフル。。。 朝からパワフル。。。 そして、 家事は嫌い。。。 そういう人だ。 でも、 サバサバと小気味いい喋り口調は 息子の俺からみても なかなかのもので、俺の友人達は この家に遊びに来ると十中八九 母さんと仲良くなる。 「おはよ。俺、朝飯いいわ」 暑さのせいか 胃の目覚めが悪く 悪いとは思いつつも 朝食をキャンセルして 手早く身支度を済ませ 冷蔵庫から取り出した トマトジュース片手に 少し早いけど出勤しようかと 車に向かった俺は 「ちょっと、篤!!」 庭で洗濯物を干していた 母さんに呼び止められた。
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