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俺は、小刻みに肩を震わせ
上目遣いで問いかける香奈の頭を
抱えるように右手で包み
背中に回した左腕で
力いっぱい華奢な身体を抱きしめた。
ここが会社の駐車場だという事なんて
すっかり忘れていた。
3日も触れてなかったから
ハグだけじゃあ足りなくて
出会った頃よりも
少しスッキリとした顎を
指で強引に持ち上げ
「・・・悪い子にはバツだな」
薄い唇を甘噛みしてやる。
「んん・・」
塞がれた唇から
くぐもった香奈の声が漏れた。
「ワガママは・・・俺だけに言えよ」
気づいた時には自分でも、
どれだけ香奈を独占したら気が済むのかと、呆れるようなセリフが飛び出していた。。。
この日、
離れがたい香奈を侑右の待つ家に
すぐに送り届け
俺は・・・
親と話すべく、急いで家路についた。
きっと
・・・分かってもらえる。
2人の時間は
この先、エンドレスにあるはずなんだ。
まだ、この腕に残る
香奈の温もりが
俺の全てなんだから。。。
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