ー篤 Sideー

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まだ夏の面影を色濃く残しつつも たまに吹く風が すぐそこまで秋が来ていることを 感じさせる9月の終わり。 公園で香奈の作ってくれた お弁当を食べた後 つい、まどろんでいた俺に 「あっくん~♪抱っこしてぇ」 侑右が遠慮なく ドシン!! と全体重をかけて乗ってくる。 「ウゲッ!!」 15キロ足らずの侑右に 乗られても全然平気だけど そこは大げさに声を上げながら 立ち上がり 「よぉ~しっ!!」と 肩車してやった。 大はしゃぎの侑が キャッキャッと笑って 体を左右にくねらす。 「おい!落ちるぞ!!」 慌てて体を支えてやる。 自分が子供好きだなんて 24年間生きてきて1度も 自覚してなかったから 我ながら侑へのデレデレぶりは 心底、意外中の意外。
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