一話

7/13
前へ
/16ページ
次へ
ガラッ、と扉が開き担任であろう人が入ってくる。 「席つけー。そこの二人、仲良し夫婦の痴話喧嘩なら他所でやってくれ。」 天パにヤル気のない目。 着崩したスーツには最早ネクタイは見当たらない。 ……この人が、担任? 意見を求めようと隣の二人を見ると、固まっていた。 そして、顔を真っ赤にすると声を揃えて 「「ふ、夫婦のじゃないっ!」」 と否定した。 和樹と沙弥はお互いに顔を見合せ、直ぐに顔を背けた後、すごすごと席についた。 「っし、席ついたなー。担任の佐熊だ。いきなりだがそっちから自己紹介始めてくれ。」 と言って俺の列の後辺りを指差した。 指名されたのは……… 「俺っ!?」 和樹だった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加