*いじめ*

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*いじめ*

♪キーンコーンカーンコーン… もう直ぐ次の授業が始まってしまう。 そう思った私は、その前に急いでトイレに行こうとした。 するとその時、妙な温かみを帯びた手が、私の肩に置かれた。 本能的に危険を察知した。 振り向くとそこには、まるで私を見ていないかのような、冷酷な瞳で笑顔を浮かべているHさんの姿と、その背後にいるSさん…。 「ねぇ、私達も一緒にトイレ行っても良い?」 「え……っ」 だが私に拒否権は一切ない。 そのまま、さっさとトイレの個室の中に押し込められた。 「ねぇ…、私って学級委員だからさ、授業に遅刻なんかしたらヤバいの。言ってること分かるわよね?だから、抵抗なんかしないで、さっさと終わらせてよね!!」 「え…いやっお願い止めて…っ!…ぃやあああぁぁぁぁ――――――…………ッッッ!!!!」 ――…どの位経ったのだろう。 意識が戻った頃、口と手にはタオルがキツく巻かれ、あちこちに血がうっすらと滲んでいた。 だが、しばらくしたら震えも治まり、痛みも和らいで来た。 そこで何とかタオルをほどき、そのタオルで血を拭った。 バレないようにくるみ、それをゴミ箱へと捨てた私は、教室に入った。 すると、一瞬はシンとなったものの、またいつもの騒がしいクラスに戻ったのだった。 その時にはもう既に授業は終わっていて、次は給食だった。
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