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出発ロビーで
にこやかに搭乗口に消えていく彼を
呆然と見送った1月。
これで5年の2人が
過ごした時間も終わるんだね…
達也、これしかこの答えしか二人にはなかったの…
搭乗アナウンスと雑踏の中で
時間だけが私の中で止まった…。
頬を伝う涙が
コートに落ちる。
『理緒、待たないで欲しい…
お互い辛くなる…
この答えしか
今はないんだよ、
ごめん。理緒
本当に元気で…
輝いて生きろよ。
何年か経って
二人がもし再会した時に、
別れて良かったなといえるように…
頑張れよ、理緒。』
精一杯明るくそう言った彼は、搭乗口に消えていった…。
彼のない人生に時間に
私はどう生きたらいい?
達也、教えて。
分かんないよ、私には。
ベンチに座って泣き崩れた。
泣いてもどうしようもないのに…。
もう彼が旅立った現実は変わらないのに…。
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