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そしてその夜…
「かんぱーい!」
高校の時によくつるんでいた四人で久しぶりに集まった。
「まさか達也が警察になるなんてなぁ」
「おいおい、元不良が警察になっちゃだめなのかよ?」
この男の名前は原田達也。今は町の交番で警察をしているが高校の頃は地元でもかなり有名な不良だった。
「ま、達也はもともと無駄に正義感あったしね!」
この女の名前は幕内菜々子。ファッションデザイナーをやっていて今では大手企業で働くエリートだ。
「ま、明と歩美は同じ会社でよかったよな。」
俺と歩美は将来の夢などなにひとつ決めていなかった。それで歩美の薦めで今の会社の面接を受けたのだが運良く受かってしまった。それで他のいい会社も見つからないので働くということになったのだった。
「ねえねえ今からうちで飲まない?ちょうどこの近
くだし。」
俺も正直言ってまだ飲み足らなかった。後で宴会か何かをやっているおじさんがとてもうるさかったのだ。少し達也も気づいているようだったが昔のようにすぐにキレたりはしなかった。
「帰りにコンビニで酒とか買おうよ」
菜々子はすっかりできあがっていた。俺達は歩いて帰り道にあったセブンテンで酒を買った。食べ物などもたくさん買った。俺達は完全に酔っていてあきらかに要らないぶんまで買ってしまっていた。コンビニを出てから歩美の家に向かう途中菜々子がおう吐した。おそらく飲みすぎだろう。達也に肩を借りた状態でなんとか歩いて歩美の家に着いた。歩美の家は15階建てのなかなか大きいマンションであった。玄関もそこそこ大きくてセキュリティも完璧だった。俺の2階建てのアパートとは大違いだ。
「明、悪いがエレベーターを呼んでくれないか?」
俺はエレベーターのボタンを押した。エレベーターは2分ほどで下りてきた。俺達はエレベーターに乗ると歩美が12階へのボタンを押した。エレベーターが着くとすぐに俺達は部屋に入った。
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