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どの壁も本棚で埋め尽くされていた。敷き詰められた背表紙。名前順の作家達。
例外として扉が2つ。隣り合わせの扉。
1つは鍵が掛かっていて、内側からは開けることが出来ない。
もう1つはトイレの扉。清潔が保たれた、活字の存在しない空間。外と繋がる唯一の小窓には、鉄格子が備え付けられている。
部屋の中央には簡易ベッド。その横に学校机と椅子が一式。引き出しの中には『給食メニューリクエスト!』と記載されたアンケート用紙の束が入っている。
読み終えた本を本棚に戻すと、腕時計の針が午後6時を指そうとしていた。
もうすぐだ。
と、俺は思う。思うと同時に鍵の外れる音がして、開かずの扉が開く。
午後6時。
俺を監禁する犯人は、決まってこの時間に姿を見せる。
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