59人が本棚に入れています
本棚に追加
日が昇り、明るい光が窓から漏れる。
まだ少し寒気が漂う春の中、ある平凡な家の一室に目覚まし時計の音が鳴り響く。
「ん…もう朝?」
シンプルな部屋の端に置かれたベッドから細い腕が伸ばされ、目覚まし時計の音を消した。
「やば…早く着替えないと」
ボサボサの頭を揺らし、ベッドから身を起こす少年はタンスを開けてシワが全くない新品の制服が取り出す。
「よし…行こう」
パジャマから制服に着替えた少年は急いで鞄に荷物を詰め、部屋のドアを開く。
少年が勢いよく部屋を飛び出した後、ゆっくりと閉まるドアのネームプレートには井上桜と文字が刻まれていた。
最初のコメントを投稿しよう!