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ーーー井上 桜ーー
急がないと、ちょっと寝坊した。
階段をリズムよく大きな音をたてて下っていく。
下の階に降り、バスの定期を取りにリビングに向かうとそこには満面な笑みで席につく女性の姿があった。
その女性は歳の割には若く見え、茶髪のロングにクールな赤い瞳、初見なら綺麗などと思うのだろう。
けど俺にはそうは見えない、あの満面な笑みも悪魔の笑みにしか見えないんだ。
この人は俺の母さんの井上 優子、俺が人生で一番憎む人。
この人は人じゃない…そんな気がしてならない。
「おはよう桜、朝ご飯食べましょう?」
笑みを浮かべる母さんの前には目玉焼き、ベーコンやパンが綺麗に置かれていた。
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