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「嗚呼?」
世界をナメ腐ったような唸り声が部屋中に轟いた。まさにグレた牛の威嚇。
「……。」
思わず言葉を失う。
返す言葉が見つからず、数秒間頭の中であらゆる策を逡巡し、自力でこの状況を打破するのはもはや困難だと判断する。
僕はベッド脇で充電中のスマートフォンを手を伸ばした。
「何する気?」
「通報です」
国家権力、万歳。
通話ボタンを押して最後の着信履歴が3カ月前なのを無視して番号をタッチ。
1……1……ん? 9? 0?
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